らくらくわくわく 山野草見て歩き

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第9回
雄山火口が花の名前とは思えません

日本にはいったい何種類の植物があるのでしょう? 6,000とも7,000とも言われることもあるし、10,000種類以上だと言われることもあります。「7321種類です」などと細かい数値にしないところをみると、要するに正確には分かっていないのかもしれません。
普通の植物図鑑なら五百~千数百種類くらいです。その図鑑に載っている植物でさえまだ見ぬ花が多くあるのですから、日本全部の植物(花無しもあるが)では見ていない方が圧倒的に多い事になります。まあ、嬉しい限りなのですが、多くがいつどこでも見られるわけではないことが問題です。あちこち歩いても場所と時期が合わないとなかなかまだ見ぬ花には出合えません。
それなので、見たことがない花に出合うとそのたびに感激してしまいます。図鑑では見ていても実際にこの目で、風景のなかの実在として見ると図鑑とは違った感じに見えるのです。

こんな花で、とにかく変わっています
こんな花で、とにかく変わっています

この花もそうでした。最初に見たときは、えっこれが花? という感覚ですね。アザミに似ていますが、もっと荒々しいのです。総苞と言う花を囲んでいる萼(がく)のような所がアザミよりゴツイ棘を持っています。決して美しくもかわいくもありませんが、独特な雰囲気を持っています。

アザミより荒々しい姿です

アザミより荒々しい姿です

こちらはアザミです

こちらはアザミです


その存在感や妖しさはまるで怪獣なみで、私はSFドラマのランゴリアーズを思い出します。モダン・ホラーの帝王スティーブンキング原作のSFドラマですが、大きな口だけの怪物がユニークで、よく見ればそんなに似ているわけではないのですがこの花が突然、口をぱっくり開けたら…と、そんなイメージが湧いてきます。
ツボミでさえも怪物の口そのままです。まあ、そのくらいユニークな花なんだと言うことですね。

ツボミのときから迫力満点です
ツボミのときから迫力満点です

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