ライターHの“デジモノ”放談

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第25回
中高年向けスマホ、第一候補はどれ?

中高年向けの携帯電話として、圧倒的な人気を獲得しているNTTドコモの「らくらくホン」シリーズ。筆者の親も愛用者の一人だが、最近はスマートフォンに買い替えようか、悩みはじめている。携帯電話会社もこうしたニーズに応えようと、独自の簡単操作を組み込んだスマートフォンを開発しはじめている。

今夏の注目は、らくらくホンシリーズのスマホ版、「らくらくスマートフォン F-12D」だろう。らくらくスマートフォンと銘打つだけあり、操作方法からメニュー画面まで、一般的なスマートフォンとは一線を画した製品となっている。起動すると、らくらくホンの特徴、短縮電話番号を登録している3つボタンが現れる。らくらくホンと同じようなスマートフォンが欲しい方は、この機種が第一候補となるだろう。

中高年向けには絶大な人気を誇るNTTドコモの「らくらくホン7 F-09B 」

らくらくホンのコンセプトを受け継ぐ「らくらくスマートフォン F-12D」

確かにコンセプトを踏襲したことでは、らくらくスマートフォンはよく考えられた製品といえる。しかし、「本当にらくらく操作できるの?」と尋ねられたら、答えに苦しむ。なぜなら、らくらくスマートフォンは、人気のスマートフォンとは一線を画した独自路線の端末だからだ。スマートフォンを利用している人が触ると、「使いづらい…」と感じてしまう。

特に気になったのは、2段階方式のボタン操作だ。通常、スマートフォンは画面上のアイコンなどを指先でタップ(軽く触る)と、そのアイコンを押したと見なされ、アプリが起動したり、機能を実行したりする。しかし、らくらくスマートフォンは、アイコンを指で触れただけではダメ。アイコンに置いた指を、さらにグッと押し込むようにして初めて、ボタンを押したと認識されるのだ。

液晶の横は一杯、もしくは半分を占める大きなボタンなら反応もよいのだが、「戻る」などの小さいボタンでは指に力を入れて押し込むようにしないと反応してくれない。携帯電話のボタンよりも、無駄に力を入れて操作してしまう。またGoogleの各種サービスが使えないことや、豊富なアプリをダウンロードできない点も残念だ。

メニュー画面は、らくらくスマートフォンそのもの。3つまでの電話番号を登録でき、ボタンを押すと電話をかけられるようになっている

タッチパネル式液晶だが操作方法は独特だ。画面上のボタンを指でタッチしただけではダメ。タッチ後にグッと押し込むようにしないと、反応しない

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