フロム・ナウ的失敗しないマンション選び

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第35回
今のマンション購入にちょっと待った!!

これが何を示しているのか?
マンションデベロッパーは、この好景気の反動を予測して、今から先手を打っているということです。
マンションの売上というのは、マンションの引渡し時に計上されます。つまり、今売りに出されているこのようなマンションの売り上げは2年後に計上されます。現在販売して契約を済ませておけば、2年後の売り上げは確定できるというわけです。
裏を返せば、この需要が強い今を逃すと、マンションは売れなくなると予想しているのです。

引き渡しまで2年掛かるということは、消費者にとってはずいぶん先の話ですし、それまで賃貸住宅で過ごすことを考えれば、コストは百万円単位で変わってきます。
これも大きなポイントです。

そこまでして今マンションを多数売るということは、デベロッパー各社が消費税率引き上げ後のマンション市場を悲観しており、今のうちに売上を前借りしておこうということなのです。
これは、将来の反動が相当大きいということを暗に示しています。

消費税率引き上げのマンション市場は、需要が枯れ、売上も伸びないということです。となると、マンション価格は当然下落することになるでしょう。確かに、今これだけの勢いでマンションが供給されれば、その反動が来ることは目に見えています。

したがって、「今マンションを買うのに良いタイミングか?」と考えると、私にはどうしてもそうは思えないのです。
入居が2年も先のマンションを買って、いざ入居したときには価格が下落していた……なんてことも容易に想像できます。
もし今、特段の必要もなく、ただ時流に流されるがままマンション購入を検討しているのであれば、一考願いたいところです。

マンションは、「縁もの」だといわれます。
必要なときに、希望の場所で、良いものが出たら、それはベストのタイミングです。
それが今なら、それはそれで良いと思います。
しかし、もしそうでないなら、今は要注意なときだと思ってください。

2013年6月26日、政府与党は、来年4月の消費税率引き上げ後の住宅取得者を支援するため、最大30万円の現金給付を決定しました。また、住宅ローン減税の4年間延長もすでに決めています。
このように、消費税引き上げ後には住宅取得の支援策が打ち出されています。
ですから、消費税引上げ前の現在、そんなに急がず、少し様子を見てみることも、一つの案だと思います。

参考:首都圏のマンション市場動向/2013年5 月度(不動産経済研究所)
http://www.fudousankeizai.co.jp/Icm_Web/dtPDF/kisha/syuto.pdf

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