フロム・ナウ流 有料老人ホームガイド

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第20回
“手厚い介護”のお手本〈介護付き有料老人ホーム・フェリエ ドゥ 横浜鴨井〉

フリーペーパーに掲載されている一覧表。これは役に立ちます。病院のソーシャルワーカーにも活用されているようです。

役に立つのはやはり、客観的な情報です。

たとえばフリーペーパーでも、なかには「介護体制」「リハビリ体制」「受入実績・体制」の一覧表が掲載されているものがあります
「看護師24時間常駐」なら、健康状態がすぐれない場合でも受け入れてもらえるし、悪化した際にも安心です。
リハビリも、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)、NS(看護師)がいるかいないかでは質が変わってきます。
紹介文はどの施設でも「介護は手厚く」、「リハビリには力を入れている」ものなので、そこは飾りのない情報を判断基準にしたいものです。

今回ご紹介する「フェリエ ドゥ 横浜鴨井」は、「看護師24時間常駐」で、医療依存度が高い人の受け入れも可能なところが特色のホーム。
取材した際、「すばらしい」と感心したことがありました。


『腹膜透析に対応』が物語る介護

みなさんは「腹膜透析」をご存じですか?

腎臓疾患を患い、腎臓の機能がすっかり低下して、末期腎不全に陥ると、「透析療法」が必要になります。
腎臓は、血液中のゴミを濾(こ)して、キレイにする働きがあり、その働きを果たせなくなるのが末期腎不全。
腎臓に代わって、血液をキレイに掃除するのが「人工透析」です。

2つの透析療法 腹膜透析(PD)
腹腔内に溜めた透析液を出し入れすることで血液を浄化
血液透析(HD)
血液を体外に取り出し、
器械で血液を浄化
APD
(エーピーディー)

CAPD
(シーエーピーディー)
治療場所 自宅など 自宅や職場など 透析医療機関
治療する人 本人や家族 本人や家族 医療スタッフ
通院回数 月1~2回 月1~2回 週3回程度
治療にかかる
時間
1回8~10時間(就寝中) 1回約30分 1日約4回 1回4時間程度
導入前の準備 カテーテルを埋め込む手術 カテーテルを埋め込む手術 シャントを作る手術
尿量
(残存腎機能)
比較的長く維持される 比較的長く維持される 導入後短期間で減少する
食事制限 塩/水、リン 塩/水、リン 塩/水、カリウム、リン、
蛋白質
日常生活 時間的拘束が少ない 時間的拘束が少ない 時間的拘束が多い
旅行・出張 薬剤等があれば、どこでも旅行可能 事前に旅行先の透析施設の
予約をとる
入浴 お腹のカテーテルをカバー
するなど多少の注意が必要
お腹のカテーテルをカバー
するなど多少の注意が必要
透析日は避ける
注意すること カテーテル周囲や腹腔内の
感染
カテーテル周囲や腹腔内の
感染
シャント部の感染

* APDは体の状態に応じて昼間の交換が追加される場合があります。
* 治療法はいつでも変更することができます。

透析療法には血液透析と腹膜透析の2種類あり、患者の日常生活への負担や生存率を考えれば、腹膜透析のメリットは大きいのですが(たとえば血液透析は週3回通院し、4時間かけて透析を受けなくてはなりませんが、腹膜透析なら通院は月に一度でいいし、自分や介護者が行えるのです)、日本で腹膜透析を受けているのは透析患者のわずか3%しかいません。
事情はいろいろあるのですが、日本の行政も含めた医療体制が「患者本位」になっていないせいであるのは確かです。

そんななか、なんと「フェリエ ドゥ 横浜鴨井」の施設長さんは、
「うちはホーム内で血液透析をすることはできませんが、腹膜透析ならできますよ」
とさらりと言ったのです。
血液透析は病院で行うものですから、老人ホームで行えないのは当然。

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