フロム・ナウ流 有料老人ホームガイド

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第22回
老人ホームの会社が運営するコミュニティカフェ「りせっとカフェ」

住み慣れた街で、自分らしい、安心な暮らしを追求した形

りせっとカフェ関内店。若い女子にも人気があります。

今回は、神奈川県の湘南エリアで、12の老人ホームを展開する「サンフォーレ」が福祉事業のイノベーションの一環として手がけているコミュニティカフェ(※)「りせっとカフェ」をご紹介します。
(※)コミュニティカフェとは、地域社会の中で住民の「たまり場」や「居場所」になっているところの総称です。

母体であるサンフォーレの老人ホームの特徴は、小規模で多機能なこと。
一般に、有料老人ホームは効率運営のため大規模なものが主流ですが、
「それは二十世紀の大量生産・大量販売の名残で、これからの時代が求めるものではありません。
施設規模が大きくなるほど効率運営の下に入居者は生活の自由が制約され、精神的負担が大きくなっていくからです」
というのがサンフォーレの考え方で、創立以来、街角に小規模ホームを開設することにこだわってきたそうです。

ゆえに、多くても35室、小さいところで12室という規模で、
「ホームにあっても、できるだけご自宅のような生活をしていただきたいからです。施設介護という視点ではなく、常にご家族の視点に立ち、お客様の援助を行っています」
とのこと。

どんなふうに多機能なのかについては、「まちかどメンバーズ倶楽部 鵠洋」の例がわかりやすいでしょう。
ここは、同社の住宅型有料老人ホーム「リーラの家 鵠沼鵠洋」一階に併設された小規模多機能型居宅介護事業所です。
要支援や要介護となっても、住み慣れた街で安心して暮らし続けられるよう、必要な手助けを必要なだけ提供すべく生まれた、小規模多機能型居宅介護とのこと。
デイサービス、訪問介護、短期宿泊の3つを組み合わせて、鵠沼地区に暮らすシニアを365日24時間、切れ目のないサービスでサポートしてくれるそうです。
頼もしいですね。

街角にある、リビング・ルーム

そんなサンフォーレが「りせっとカフェ」を手がけているのは、住み慣れた街で安心して暮らし続けられることをサポートするためです。

「弊社は長いこと、老人ホームを運営してきましたが、その人らしい生き方を本当にしてもらおうと考えたら、自宅で暮らしていただくのが一番じゃないかなと思うのです。
要介護や要支援になっても、安心して暮らせるのなら、自宅にいたいですよね。
私はそのへん、老人ホームでは限界があると考えます。
『りせっとカフェ』は、街に住む高齢者の方々が、孤立せず、コミュニティに参加して暮らしていただくための拠点になればいいと考え、開設しました」
と、サンフォーレの取締役である島田さんは話していました。

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