今さら聞けないワインの話

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第19回
安くて美味!ニューワールドワインのすすめー2(オーパスワン編)

前回のコラムではニューワールドについてお話しましたが、今回はそのニューワールドの中でも高品質で美味な「オーパスワン」についてお話ししましょう!

■オーパスワインとの出会い

私とオーパスワンの出会いは、さかのぼること8年、初島の某ホテルのイタリアンレストランにて。当時、私は23歳。ワインに興味を持ち始め、WSETのワイン資格の初級を取得したばかりでした。
とはいえ、ワインには「赤」「白」「ロゼ」があり、「発泡性ワイン」「非発泡性ワイン」があることをやっと理解したばかりで、ワインを今のように飲むこともありませんでしたし、全く詳しくありませんでした。

食事と一緒にワインをとお願いしたところ、ソムリエの方が、「今日はとっておきのワインがございます」と出してくださったワイン。価値もわからず、ただただおいしいと思って頂いたワイン。まだ勉強し始めで、エチケット(ワインのラベル)を記念にと持ち帰りましたが、後からそれを見て、あれはオーパスワンだったのだと知りました。
今考えれば、23歳の小娘にオーパスワンなんて、本当ぜいたくですよね!しかし、あれから私はオーパスワンのファンになり、機会があるごとに頂くようになりました。

■バロン・フィリップ・ロスチャイルド氏とロバート・モンダヴィ氏

では、なぜここまでオーパスワンは有名になったのでしょうか。ニューワールドであるアメリカでの生産にもかかわらず、なぜここまで高品質で、ここまでおいしいのでしょうか。

その理由のひとつに、フランスからの「血」が混じったことが挙げられます。
オーパスワンは、ボルドー格付け1級ワインでも知られる「シャトー・ムートン・ロトシルト」のオーナーであるバロン・フィリップ・ロスチャイルド氏と、カリフォルニアで高品質なワインを生み出していた膨大な規模のワイナリーのオーナー、ロバート・モンダヴィ氏の2人による、カリフォルニア・ナパバレー生まれのボルドー系のワインだからです。
ワイン界で著名な2人が、土壌を一から調べ、ワイン作りに最も適したワイナリーを作り、フランスさながらのワインを作り上げたのです。
失敗を繰り返し、莫大なお金もかかったことだと思いますが、フランス・ボルドーで一から作ることを考えたら、比べ物にならなかったことでしょうね。

ネーミングにも由来があります。「Opus one(オーパスワン)」とは、音楽用語で「作品番号1番」という意味があるそうで、「1本のワインは交響曲、1杯のグラスワインはメロディのよう」ということでバロン氏が命名し、それがに世界に広まったのです。
シンプルな白地にブルーで描かれた2人の横顔と、2人のサインが描かれたエチケットが、スタイリッシュですよね!

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