今さら聞けないワインの話

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第21回
安くて美味!ニューワールドワインのすすめ─4(マム・ナパ編)

■ニューヨークでの出会い

皆さんは、「マム・ナパ(MUMM NAPA)」というワインを聞いたことがありますでしょうか?

私がマム・ナパに出会ったのは、ニューヨークにステイしていたとき。
ルームサービスでワインをお願いしようとリストを見ていたところ、目に留まったのが、「マム・ナパ ブリュット(MUMM NAPA BRUT)」でした。ワインリストに記載されている価格は、69ドル。日本では見たことがなかったのですが、「MUMM(マム)」とついていることから、あのG.H.MUMM(ジョン・アッシュ・マム社)のものだろうとすぐに察しがつきましたし、また、銘柄からカリフォルニア州のナパ・ヴァレーで作られているいうこともわかりましたので、このお値段なら悪いものではないだろうと思い、注文してみました。


G.H.MUMMのシャンパン

ちなみに、G.H.MUMMのシャンパンでしたら、皆さんも見かけたことがあるのではないでしょうか?エチケット(ラベル)の左上から右下に斜めにリボンが掛けられたシャンパンといえば、思い浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。また、F1レースの表彰式で入賞者同士が浴びせ合うために出される公式シャンパンですので、それで目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

そして、お部屋に届けられたのは、高級そうなブラックのエチケットをまとったスパークリングワイン。エチケットには、かなり小さく先述の赤いリボンマークもかわいらしく入っています。そんな未知のスパークリングワインを開けるときの、ドキドキ感といったら!
余談ですが、ワインと一緒に届けられたナッツの量にもドッキリ!サラダボウルくらいの大きさの深いお皿にドッサリ入って来たのです!なんとも「アメリカ」を感じる瞬間でした(笑)。

■シカゴのスーパーでは、なんと18ドル!

さて、このマム・ナパ ブリュット(MUMM NAPA BRUT)のセパージュは、ピノノワールとシャルドネで、シャンパンのようなコクはいま一歩であるものの、フレッシュな洋梨やほのかなイースト香の中にわずかなバニラを感じさせる香りがあり、バランスが良く、キリッとした辛口でした。本家とは多少違いますが、カリフォルニアで作られるスパークリングワインとしては十分です。

後に、シカゴのスーパーマーケットにて、再びマム・ナパに出会いましたが、なんとそこでは18ドルほどで売られていました。この価格で、これだけのクオリティのスパークリングワインが入手できるなんて、本当に素晴らしいことだと思いました。

三回連続でナパ・ヴァレーのワインについて書かせて頂きましたが、オーパスワンもケンゾーエステイトのワインたちも、アメリカのワインの中では、比較的値段が高い部類に入ります。
しかしながら、このマム・ナパは両者と違い、現地の方々もデイリーワインとして飲むワインでありながら、出来上がりの素晴らしいこと!まさに「コストパフォーマンスが良い」とは、このことです。どんなお料理にも合いますし、このお値段は本当に魅力的です。

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