荒野のエッセイスト(音楽編)

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第2回
ノルウェーの森~ザ・ビートルズ・クラシックス
1966 カルテット
心地よい後味が残るが……。

まるで時代の流れに添うかのように、後半では「フール・オン・ザ・ヒル」「ロング・アンド・ワインディグ・ロード」等の後期を代表する文学的な名曲が登場し、最後は「アクロス・ユニバース」「グッド・ナイト」で渋めにしめくくる。
確かに全体を通してみると、クラシックのコンサートでビートルズ・ヒストリーというタイトルの組曲を鑑賞したような心地よい後味が残る。
なるほどね、という気分。
コレクターズ・アイテムとしては上等だが、BGMとしては存在感がありすぎるし、じっくりと耳を傾けるには少々物足りない。
この先にくり返して聞くほどの魅力があるかと言えば、「うーん」とうなってしまう。
僕はいまだかつてビートルズのオリジナル・アルバムを超えるカヴァー・アルバムを手にしたことは、たったの一度もない。

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