今さら聞けないワインの話

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第13回
知っておくともっと美味しい~マリアージュのこと~

三つ目は、「ワインの産地と食材の産地を合わせる」ということです。簡単にいえば、フレンチにはフランスワイン、イタリアンにはイタリアワイン、Tボーンステーキにはアメリカやオーストラリアのワイン…といった具合です。
さらにそれぞれの地域によってワインとお料理を合わせることにより、マリアージュの相乗効果はグンと増します。先述のプレミアムナイトで、「牛ほほの赤ワイン煮込み」が出されましたが、このお料理に使われた赤ワインがイタリアのトスカーナ地方のサンジョベーゼでしたので、ワインもトスカーナ地方のブルネロ・ディ・モンタルチーノ(この地方では、サンジョベーゼをこう呼びます)を合わせました。

また、代表的なマリアージュは、チーズとワインです。両者の相性は大変良く、その地方で作られたチーズとワインの組み合わせは、チーズ検定試験にもソムリエ試験にも出題されます。もし、チーズを召し上がる時、ソムリエがいるお店でしたら、ぜひチーズとワインの組み合わせを尋ねてみてください!

「ワインの香りと食材の香りを合わせる」というのもマリアージュの一つです。ワインに使われるブドウ品種は、それぞれ特徴的な香りを持ち合わせています。私はあまり嗅覚が優れていないので、ソムリエ試験の前はとても苦労をしました。今では、それぞれの特徴をつかめるようになりましたが、当時は数種類のワインをワイングラスに入れて並べてみても、違いがまったくわかりませんでした。

では、主な品種の香りについてご紹介します。

赤ワイン

<カベルネ・ソービニヨン>

ブラックベリー、ドライフルーツ、チョコレート、ブラックペッパー、シナモン、熟成した土、枯れ葉、タバコ

<メルロー>

チェリー、プルーン、カシス、トリュフ

<ピノ・ノワール>

ストロベリー、梅、マッシュルーム、熟成した腐葉土、プルーン、アーモンド、紅茶

白ワイン

<ソービニヨンブラン>

ハーブ、レモンなどのかんきつ系、ピーマンなどの青い香り

<シャルドネ>

たる発酵させた場合…バター、トースト、ビスケット、蜂蜜
たる発酵させていない場合…グレープフルーツ、リンゴ、白桃

<リースリング>

クチナシの花、洋ナシ、トロピカルフルーツ

このように、ブドウ品種によってこんなに香りは違います。例えば、香草を使ったお料理にはソービニヨンブランを合わせたり、トリュフソースを使ったお料理にはメルローを合わせたりすると、よりおいしくワインもお料理も頂けます。
個人的には、食後のチョコレートに重いカベルネソービ二ヨンを合わせるのも大好きです。

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