今さら聞けないワインの話

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第9回
お屠蘇にスパークリングワインはいかが?

まず一つ目は、「フェリタス プレミアム スパークリングワイン」(写真左)で、ドイツの中辛口スパークリングワイン(ゼクト)です。
フェリタスとは、ラテン語で「幸福」を意味し、このスパークリングワインには金ぱくが入っています。ドイツでは、金ぱくは体に良いといわれており、このようなスパークリングワインがお祝いの席に出されることがあります。実際、金ぱくを摂取すると血行を良くする作用があるといわれていますし、不老不死のおまじないにもされています。
使用品種は、リースリング・ミュラートゥルガウ。リンゴやかんきつ類の香りがさわやかな、泡の刺激が心地良い22カラットの金ぱく入りスパークリングワインです。

そして二つ目は、「勝沼のあわ」(写真右)です。
こちらは、メルシャン勝沼ワイナリーで作られている日本の辛口スパークリングワインで、2009年に国産ワインコンクールで金賞を受賞しました。使用品種は甲州。「和食に合う」をテーマに作られており、グレープフルーツやレモンなどの軽やかな酸味が楽しめるスパークリングワインです。日本の心を忘れずにお正月にスパークリングを飲むのであれば、こちらはお屠蘇にふさわしい一本だと思います。
普段、日本のワインをあまり好んで飲まない私が、この「勝沼のあわ」をお薦めするきっかけとなったのは、よく利用しているお店のソムリエの方が教えてくださったからです。そのお店の名は、「ヤキトリ&ワイン シノリ」(※)。焼鳥だけでなく、フレンチも味わえるビストロで、ワインの楽しみ方を広げてくれます。この時期にはジビエ(鳥獣肉)も揃っており、手軽にフレンチが楽しめ、一人でもワイン片手においしい時間を過ごすことができます。
この「勝沼のあわ」は、泡が細やかで、食材の味の邪魔をしないため、繊細な和食にぴったりなのです。

おせち料理のお重にはそれぞれ意味があり、特に一のお重には「祝い肴(いわいざかな)」と呼ばれるぜいたく品が詰められており、お屠蘇と共に味わうためのものです。
ぜひこれらのおいしいスパークリングワインという名のお屠蘇を合わせ、おせち料理を召し上がってみてはいかがでしょうか。

そもそもおせち料理は、主婦の方がお台所仕事をしなくてよいように作り置きができる食材でできたもの。主婦のみなさんも、日ごろの疲れをいやしつつ、おいしいお酒とお食事を存分に楽しみましょう!

さて、2011年もあとわずか。
今年からスタートしたこのコラムですが、多くの方にご愛読いただき、本当にありがたく存じます。心より感謝申し上げます。
2012年も、お酒の場でウンチクとして披露していただけるような、また今さら聞けないようなお酒の豆知識などについて書いていきたいと思います。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2012年が、皆さまにとってすばらしい一年となりますように!

ヤキトリ&ワイン シノリ(YAKITORI& Wine Shinori)

住所:東京都品川区小山3-25-14-2F
電話:03-5749-3144
営業時間:
月・水~土…17時~23時
日・祝…13時~17時(予約制)/17時~23時
定休日:火、祝日の月曜日

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