今さら聞けないワインの話

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第11回
カーブドッチってなぁに?

落さんがワイン作りを始めるきっかけとなったのは、北海道でワイナリーを営んでいた叔父さんのお手伝いをし、その叔父さんから「ドイツに留学してワイン作りの勉強をしないか」と言われたこと。当時ワイン作りにさほど興味がなかった落さんは、「外国に行ってみたい」という好奇心だけでドイツへ赴かれたそうです。限られた人しか海外に行けなかった時代、今の落さんを作りあげるきっかけとなったこの留学。大変貴重な経験をされたものとお察しします。

でも、なぜ新潟なのか、疑問ですよね。
帰国後、ドイツ国立ワイン学校で学んだ知識や経験を日本で生かすため、ワイン作りに適している土地を探すことからスタートした落さん。ワイン用のブドウ作りに合う気候や雨量、日照時間、地質など調べていくうちに探し当てたのが、この新潟県巻町だったそうです。しかも、フランス・ボルドーと地形が似ていることが決め手だったとは驚きです。落さん自ら調べ上げ、自ら開拓した土地だからこそ、歴史あるワイナリーとは違う場所にあるというのが、その答えです。

さらに、落さんのこだわりはすごい!
教えられてきたことを忠実に守るのと同時に、ワイン用のブドウからワインを作ることに徹底し(日本のワイナリーは食用ブドウもワイン作りに使用しているのです)、すべて自分たちの手で作ることにこだわっているのです。そのこだわりを、一人でも理解し支えてくれる人がいるなら、その人のためにワインを作るというお考えなのです。
また落さんは、地元密着型かつ地産地消を目指されています。この彼の考えに賛同した方々が、今では1万人を超えるブドウの木のオーナーとなり、カーブドッチを支えているのです。

落さんのこだわりは、それだけではありません。お客様の声に耳を傾け、それを次々と実現させているのです。
ワインが飲めて食事もできるようにして欲しいと言われればレストランを併設し、遠路から来た方に安らぎをと宿泊施設や温泉を増設し、本格的な音楽鑑賞も楽しみたいという声があがればパイプオルガンを設置した多目的ホールを作り、お庭で挙式したいという要望があればウェディングプランを設け…。
さらに、おいしい焼きたてのパンやジェラートを提供するために、パン工房やジェラート工房を作り、また本格ソーセージが堪能できるレストラン「薪小屋」まで作ってしまったのです。しかも、本場のソーセージ作りを学ぶため、ご子息をドイツに留学させるほどの熱心さ。お客様の満足をとことん追求したこのカーブドッチに足を運び、居心地が悪いわけがありません。

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