今さら聞けないワインの話

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第12回
お花見に春ボジョレー

みなさま、春ボジョレーってご存じですか?

私は毎年この時期になると、フランス食品振興会(SOFEXA)が白金台の八芳園で開催する「夜桜花見試飲会」のお手伝いをしています。夜桜を眺めながら、ヌーボーではないボジョレーを楽しむもので、10クリュ(ぶどう畑)×数種類のワインを試飲することができます。
私もこのイベントに参加するまでは、同じボジョレー地区で作られたワインでもこんなに味わいが違うとは知りませんでしたし、そもそもヌーボー以外のボジョレーを飲んだことがありませんでした。
この日は、お客様をお迎えするまでに抜栓をしながら、テイスティングを何度も繰り返せるため、私には最高のお仕事です(笑)。
またお客様にとっては、春ボジョレーに合わせた食事と数十種類のボジョレーを楽しみつつ、ライトアップされた夜桜も観賞できる、特別な時間となります。

第7回のコラムで、ボジョレーヌーボーは解禁日にお祭り騒ぎをするほど日本では有名だとお話しましたね。そんな世界的にも親しまれているボジョレーは、秋が旬と思われがちですが、それはヌーボー(新酒)のみ。
実際は12の名称のワインがあり、秋に収穫したブドウをタンクに入れ、熟成させ、3月に瓶詰めするので、出荷時期は春!そう、ボジョレーの旬は、実は春なのです!

冬場には渋みのある重い赤ワインを飲みたくなりますが、気候が良くなると少し軽めのワインを飲みたくなるものです。さらに夏になると、赤ワインというよりは、ロゼや白ワインの方が多く好まれます。
ボジョレー(赤ワイン)のブドウ品種はガメイなので、赤ワインの中でも軽めで、渋みがあまりなく、繊細で香り高く、エレガントなワインに仕上がります。ですので、春の心地良い日差しの中でいただくには、ぴったりの赤ワインといえるでしょう。
桜の花びらが舞う美しいこの季節に、ボジョレーはいかがですか?

さて、一言でボジョレーといいましても、10クリュ10通りの個性があります。それぞれのクリュとボジョレー・ヴィラージュ、ボジョレーの個性を簡単にご紹介します。まだまだ日本では親しまれていない春ボジョレーですが、ぜひ皆さんが購入される際の参考になさってください!

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