大河ドラマ「八重の桜」の世界をめぐる

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第6回
弟と父の死、そして夫との別れ

綾瀬はるかさん演じる八重が長谷川博己さん演じる川崎尚之助と結婚して三年目の慶応三年(一八六七)十月十四日、日本を揺るがす大事件が京都で起きます。
会津藩が守り続けた幕府が消滅したのです。時の将軍・徳川慶喜が政権を投げ出したのでした。いわゆる大政奉還です。
八重が二十三才のときでした。

幕府を倒そうと狙っていた薩摩藩や長州藩の動きを抑えるため、慶喜は先手を打って幕府を消滅させたのです。
そして、幕府消滅後にできる明治新政府で再起をはかったのです。
しかし、薩摩藩の西郷隆盛たちは慶喜の目論見を見破ります。新政府の人事を決める会議で、慶喜そして会津藩主・松平容保を排除することを決めたのです。これを王政復古のクーデターといいます。
当然、徳川家や会津藩は激高します。

翌年正月三日、京都郊外の鳥羽・伏見で薩摩藩や長州藩との戦いがはじまります。いわゆる「鳥羽・伏見の戦い」です。
結果は、徳川家や会津藩側の惨敗でした。
そして、朝敵の烙印(らくいん)を押されて、天皇から討伐の命令が下ります。官軍となった薩摩藩や長州藩から賊軍として討たれる立場になったのです。

そのころ、京都にいた八重の兄・覚馬は戦争が起きないよう奔走していましたが、目を悪くしていたため、思うように動けませんでした。そして戦争がはじまると、薩摩藩に捕らわれてしまいます。
また、弟の三郎は鳥羽・伏見の戦いで負傷し、その傷がもとで命を落とします。まだ二十才というはかない命でした。
兄が捕らわれ、弟が戦死したことを知った八重は、どうしたのでしょうか。

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