旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

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第11回
「エリンギ」の風味が漂う肉豆腐

エリンギは、全国で買いやすいキノコとして、年中出回っていますが、旬は秋口。加熱して調理しますが、お肉なみの濃厚な味と噛み応え、満腹感もあり、ダイエット中の方にはありがたい存在ですね。


■「エリンギ」の歴史

ヒラタケ科ヒラタケ属のキノコで、原産地は地中海沿岸地方。(諸説あり)古くから食用として収穫されており、ヨーロッパや中央アジアでは野生種として自生していました。しかし日本でブレイクしたのは平成に入ってから。平成5年ごろから人口栽培が始まりました。茶色い傘に、太くて白い柄、エリンギの姿は人目を惹き、加熱するとコリコリとした食感にクセのない味で、人気キノコの仲間入りを果たしました。食感がアワビに似ているため、「白あわびたけ」という別名もあります。

■「エリンギ」の特徴

海外では元々自生していましたが、日本ではほとんどの生産者が空調栽培や、ビン栽培法でエリンギを育てています。水分にとても弱く、水洗いしてから冷蔵庫に保存すると、すぐにヌルヌルと傷んでしまうので、買ってきたらすぐに調理してしまいましょう。またキノコ類は、野菜類の食物繊維と構造が違うので、生のまま冷凍保存できることも利点です。
エリンギを買う時のポイントは、柄が真っ白で軸に弾力があり、太いものを選びましょう。傷みやすいので、少しでもぬめりが出ているものは避けた方がいいでしょう。
エリンギの濃厚な味わいは、お肉の量を、エリンギに置き換えてお料理するだけでも楽しめます。豚肉の生姜焼き風や、みじん切りにして挽肉の代わりにお料理に使うとレパートリーも増えますよ。

■「エリンギ」の栄養など

エリンギを加熱した時の独特の風味は旨味成分のグアニル酸によるものです。グアニル酸は、体内の細胞の再生を促進したり、各器官や血管を丈夫にする働きもあります。しわや乾燥肌予防にもいいでしょう。ビタミンB群も数種類含まれており、血流をよくしたり、精神安定効果が期待できるナイアシンなども摂取できます。また食品からは摂取しにくいビタミンDも含まれます。ビタミンDはカルシウムの吸収や骨量を健康に保つ効果も期待でき、骨や歯、爪などを丈夫にしてくれるでしょう。



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