旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

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第3回
ほんのり甘くやわらかな食感「春キャベツ」をシンプルに堪能するレシピ

春から初夏にかけて出回るキャベツは「春キャベツ」と言って、葉の巻き方が比較的ゆるく、口あたりもやわらかくまろやかで、ほんのり甘いのが特徴です。洋食の付け合せにするだけではもったいないので、春キャベツをドーンと主役にして頂く簡単レシピがあれば、野菜をたくさん摂取できて、食べ過ぎや飲みすぎで荒れた胃も修復してくれるでしょう。


■「キャベツ」の歴史

キャベツは、紀元前から栽培されていたと考えられている古い野菜で、原産国はヨーロッパ。元々の品種は、現代の「ケール」のように結球しないタイプが原型のようです。土地や風土によって現在のような結球タイプのキャベツになっていきました。16~17世紀にかけてカナダやアメリカ大陸に渡り、日本へは江戸時代にオランダ商人から伝わったという説が有力ですが、当時は盆栽でお馴染みの「葉ボタン」として観賞用とされ、食用にはなっていませんでした。食用として栽培されるようになったのは、明治時代に入ってから。当初は外国人向けに栽培されていましたが、洋食が一般化してきた明治末期に、本格的に栽培が始まったようです。

■「春キャベツ」の特徴

キャベツは、栽培しやすいことから、四季を通して種まきと収穫が行われています。春先から初夏にかけて出回る「春キャベツ」は、秋に種まきが始まって収穫されたものを指します。他の季節に収穫できるキャベツとの違いは葉の巻きが比較的ゆるく、中まで黄緑色をしていることです。葉が柔らかいので、生食にも向いており、ほんのりと甘いのも特徴です。

■「キャベツ」の栄養など。

キャベツは多めに摂取すると、胃腸の調子を整え、胸焼けや胃炎を防いだり、改善する効果が期待できます。キャベツから発見されたビタミンU(キャベジン)をはじめ、イソチオシアネート、ケンフェロールと言った成分に健胃効果が期待できるのです。胃もたれになりやすい、揚げ物(とんかつ、海老フライ、コロッケ)の付け合わせについている千切りキャベツは、残さず食べるようにしましょう。生だとたくさん食べるのが大変ですが、ドイツ料理に代表されるザワークラウト(キャベツの酢漬け)、日本の浅漬けなど発酵食品にするとカサが減り、食べやすくなります。加熱調理のポトフや野菜炒めなど、胃腸の弱い方は工夫して、なるべく食べる機会を増やすようにしましょう。



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