旬の野菜と歴史 毎日の食事に取り入れる簡単野菜レシピ

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第14回
体も胃も温まる「蕪」まるごとそぼろあんかけ

秋冬の代表野菜の一つである「蕪」。お漬物のイメージが強いですが、丸ごとお出汁で煮込み、挽肉を使ったそぼろあんかけと、彩に蕪の葉を使えば上品な一品に。蕪は体を温め、胃にも優しいので、ついつい食べ過ぎてしまう秋冬の健康を守ってくれる野菜として頼もしい存在です。

■「蕪」の歴史

「かぶ」と呼ばれていますが、地域によっては「かぶら」と呼ばれており、旧名は「すずな」といいます。栽培しやすく、肥料の少ない痩せた土地でも良く育つことから、世界中で栽培されています。原産地は、中国で(諸説あり)、古代ギリシャ史や中国最古の書物『詩経』にも記述があり、2,000年以上前から栽培されていたと考えられています。また中国を代表する歴史小説『三国志』の天才軍師、諸葛亮孔明(諸葛孔明)が好んで食べた野菜としても有名です。中国では当時から負け戦は兵士たちの食事に「野菜が不足しているから」と考えられており、孔明が兵士たちの栄養補給にと、痩せた土地でも育つ、現代の蕪である「蔓菁《まんせい》」に目をつけた、という謂れが残っています。兵士たちの栄養補給と共に、蕪の豊作にも恵まれたようです。

■「蕪」の特徴

日本でも栽培しやすいことから全国の農家で栽培されています。白いものが主流ですが、赤蕪、黄蕪、黒蕪そして京都の伝統野菜「聖護院蕪」など種類も多く、ここ数年では、一般のスーパーでも11月の中旬を過ぎると「あやめ雪蕪」というピンクと白の美しいグラデーションの蕪も買えるようになります。白蕪にはないアントシアニンが摂取できることから、女性を中心に人気が出ています。
蕪の選び方のポイントは、表面がなめらかで、引き締まったもの。葉つきで売られていることが多いですが、葉に栄養が取られてしまうため、買ってきたらすぐに葉と根の部分を切り離して保存してください。葉の部分は栄養価が高いので、捨てずに、冬の貴重な葉野菜としていただきましょう。ほうれん草や小松菜と同じようにいただくと使い道も悩まずに済みます。

■「蕪」の栄養など

蕪の根の部分は、胃を守る成分として知られる「イソチオシアネート」、「アミラーゼ」が豊富です。健胃効果に期待ができ、古くから、食べすぎで胃もたれをすると、蕪をすりおろしたものを薬代わりに飲んでいました。また蕪の葉はカルシウムや鉄分、カリウムが豊富に含まれているので、冬の冷え対策のためにも葉もしっかりといただきましょう。



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